そして2025年に発足した高市内閣(日本維新の会との連立政権)は安倍政権を引き継ぐと公言し、就任早々に国会で「『台湾有事』は日本の存立危機事態」と答弁して、アメリカとともに中国と交戦する可能性を示唆しました。また、本年4月、前述したように「武器輸出三原則」を改定して、殺傷能力のある武器輸出の原則的解禁にまで踏み込みました。更に機を同じくして、経済安保関連の法整備の名の下に国民を監視し言論・表現の自由を脅かす、いわゆるスパイ防止法に向けた議論を進め、この4月には、内閣国家情報会議設置法(内閣情報調査室の国家情報局への格上げも含む)までをも制定しています。
新「安保三文書」の1つである「国家安全保障戦略」の中には、「国民が我が国の安全保障政策に自発的かつ主体的に参画できる環境を政府が整えることが不可欠である」との一節が含まれています。「戦争ができる国」は国民を戦争に動員することを意味しており、それへ向けた環境整備が着々と進められている中で、高市首相はその集大成としての9条改憲の「時が来た」と叫ぶに到っているのです。(以上、「平和国家」の考え方については、青井美帆学習院大学教授「憲法改正論 9条の行方」、『朝日新聞』2026年5月2日付を参照。)
